日本糖尿病学会 認定専門医 指導医
宇都宮東病院副院長 門田 悟
『糖尿病の症状』
糖尿病の初期は無症状か、あっても、なんとなく疲れやすい、体がだるいなどで、糖尿病かもしれないと自分で思いつく人はあまりいません。しかし朝食前の血糖値は110~130mg/dl と既に軽度上昇しています(正常は110mg/dl以下)。一般に血糖値が170mg/dlを越えないと尿に糖が漏れ出てこないので、同じく朝食前に尿糖を測定した場合結果は陰性です。しかし食後は血糖値が170mg/dlを超えることが多いので、たとえば食後2時間の尿糖は陽性になり驚く人もいます。この時期に糖尿病を見出し早期治療に結びつけるためには、職場或いは地域の住民健診を毎年受け、糖尿病の可能性を指摘されたら、症状がないからといってほうっておかないで医療機関を受診することが大事です。治療も食事療法と運動療法ですむことが多いし、糖尿病に特有の網膜症、腎症、神経症も合併していないことが多いのです。
糖尿病が進行して更に血糖値が上昇してくると、のどが渇く、水やお茶をよく飲む、排尿が頻回となる(特に夜間)などの症状が出現し、更に重症度が増すと食べても食べても太らず、むしろ体重は減っていきます。3~6ヶ月で10kg減ることも珍しくありません。このような状態においては食事、運動に加えて血糖値を下げるためのお薬が必要となる可能性が出てきます。 更に放置すると血糖値は800~1000mg/dl以上にもなり、意識がもうろう、ついには昏睡になって、死にいたることがあります(糖尿病性昏睡)。