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【高齢福祉部通信19】どうする・認知症対策Ⅱ

2014年5月30日

 認知症高齢者の行方不明、約1万人、死亡で発見350人余り。身元不明で特別養護老人ホームで7年間保護、テレビ報道で身元判明。認知症高齢者の徘徊などを巡って連日、マスコミが取り上げている。前回この欄で認知症を取り上げたが、再度「地域で見守る」ことの重要さを指摘したい。認知症の症状は多様であり、一見して「認知症」と判断できるわけではない。しかし、何らかのコミュニケーションを図り、様子を観察すれば気づくことも少なくない。現代社会の他者に対する「無関心さ」「関わりの希薄さ」が行方不明の背景の一つであろうか。


 さらに、認知症に対する周囲の理解の問題もある。認知症は一種の「病い」であり、決して恥ずかしことではない。家族が問題行動があるからと言って、その存在を近隣に伝えないとしたら、発見はより困難となる。家族が勇気をもって「もしもの時の協力」を自治会・町内会・商店街などに依頼し、これらの組織と地域住民が協力して事故などから守るという機運の醸成が必要であろう。栃木県内では「児童虐待防止ネットワーク」が構築され、関係機関・組織に連携や虐待に関する住民の通報も多くなった。また、地域には「子ども110番の家」の看板を掲げた協力体制がある。「シルバー110番の家」があってもよいと思う。


 一人暮らしの高齢者に「孤独死防止」のために、緊急連絡先や医療機関などを記載したメモを入れておく「安心キット」を配布している自治体もあり、先般、某市では徘徊者身元確認用の「ペンダント型」用具を配布した旨の報道があった。もちろんこれらの対策は必要であるが、基本的には地域住民が認知症を正しく理解し「みんなで支える」ことがポイントになると思う。「徘徊発見ネットワーク」の構築が求められよう。

 

高齢福祉部顧問 山田 昇


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