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高齢期の「居場所の喪失」と漂流

2013年2月 1日

 かつて、医療費抑制のために約38万床の高齢者療養病床を廃上し、老人保健施設や特別養護老人ホームに転換する方針が決定されました。その時大きな問題になったのが約7万人の「介護難民」が生じることが予測されることでした。介護サービスを受けることのできない高齢者を「介護難民」と表現しましたが、今日では「漂流高齢者」という言葉が新たに出るようになってきました。先日放映されたNHKスペシャルは「老人漂流社会」のタイトルで、居場所のない高齢者の生活実態をルポし、特別養護老人ホームには入れず、「終の棲家」として有料老人ホームや民間のケア付きホーム入所を報じていました。利用料金は月約13~ 14万円です。基礎年金だけで利用することは不可能ですし、生活保護を受けなければ費用の支払いは困難です。その施設で亡くなつた高齢者の状況も放映されました。
 昭和38年制定された老人福祉法は「老人は多年にわたって社会の発展に寄与した者として敬愛される」とありますが、「漂流する・漂流せざるを得ない」高齢者の生活実態はその理念と大きく乖離しています。時を同じくして群馬県渋川市で起きた高齢者施設「たまゆら」火災(10人の焼死者)に対する地裁の判決があり、経営者の理事長に執行猶予の判決が出されています。利用者は居場所がなく福祉事務所の紹介で生活保護を受けながら入所していた高齢者でした。
 施設の整備や家賃の補助制度、在宅サービスの支援充実が叫ばれていますが、地域での孤立死(孤独死)も年々増加の傾向にあります。医療・保健・福祉だけの連携に止まらず「居場所の確保」を含めた住環境の改善やコミュニティの支援の必要性を痛感させられます。「終の棲家」の在り方を私たち関係者はもっと真剣に考える必要があるでしょう。

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