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【高齢福祉部通信37】「1億総活躍社会」と「特養など整備40万人」

2015年12月 5日

  安倍首相は「1億総活躍社会」を打ち出し、その大きな柱として家族の介護のため離職する(約10万人)現役労働者の離退職防止を含めて、都市部でニーズの高い特別養護老人ホームなどを2020年初頭までに40万増床することを打ち出した。介護のために離退職せざる得ない現役労働者の確保の視点もあるであろうが、施設の増設・増床はそう簡単ではない。現在、介護保険の総費用は約10兆円、2025年には約20兆円が見込まれている。施設を増設すればその費用は増加するし、介護保険を含めた社会保障費は増大する。消費税増税だけで対応は困難であり、社会保険料アップや受益者負担にも影響するであろう。一方では財務省主導による社会保障関係費の抑制方針もある。


このような状況の中で、40万人増が本当に図れるのか疑問を持たざるを得ない。また介護を担う介護福祉士などの人材不足は極めて深刻である。施設を整備しても人材不足から定員を満たせない事業所もある。


国は特養設置などの規制を緩和し、多様な手法を導入しようとしているが、量もさることながら「質の確保」も大事である。昨今の有料老人ホームの入所者転落事故死、虐待等の報道を考えれば、福祉事業の「倫理と法令順守」がなされなければならない。


要介護高齢者対策は、家族の介護力の低下の中で重要であり、早急な対応が必要であるが、施設整備と併せて医療・看護・介護を含めた「在宅ケア」の充実もまた必要である。


また介護のための離職者防止も大事であるが、介護現場職員の離退職防止も急を有する。給与や労働条件の改善なども重要であり、介護職員の養成と確保も合わせて対応することが求められる。

 

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