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【高齢福祉部通信33】「戦後70年」と高齢者福祉を考える

2015年8月11日

 間もなく8月15日、終戦記念の日を迎える。安保法制の議論が続く中の70周年でもある。私たちの施設入所者やデイケア・訪問介護など在宅の高齢者は年々高齢化、重度化の傾向にあるが、これらの対象者と戦後70年を考えてみた。


 私たちの事業の利用者の多くは、戦中・戦後の混乱期に生まれ、飢えに苦しみ、十分な教育を受けることも少なく、1960年代の高度成長期を「金の卵」と称され、必死に働き、我が国の高度経済成長を支えた70~80歳代後半の高齢者は「豊かな老後」を実感しているであろうか。また10代後半少年兵として戦場に駆り出され、また軍需工場で働かされた人々は90歳代を超えようとしている。これらの人の中には、体が不自由になり、また認知症などで施設・在宅の介護サービスを受けている人も少なくない。


 1963年(昭和38年)制定の老人福祉法は、その理念として「老人は長い間にわたり、社会の発展に寄与した者として敬愛される」と固定しているが、現実は低年金・介護問題・孤独死・自殺・認知症・事故死・虐待などその状況は「敬愛」にほど遠い感じがする。


 私たち北斗会・高齢福祉部事業の利用者は、まさに戦後の混乱期を生き延び、社会の発展に尽くした人生の大先輩であり、私たちはより一層「真心と敬愛の念」を持って支援し、残りの人生をできるだけ心豊かに過ごせるよう心新たにして取り組んでいく必要がある。


 職員向けの所内報で周知したところである。

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