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社会保障制度改革と消費税アップについて

2013年10月 8日

 10月1日、安部首相は消費税3%アップを正式に表明した。少子・高齢社会を迎え増大する社会保障関係費(医療・年金・介護・福祉など)に対応する措置とある。経済が好転しない中での税収不足、国債残高など国の借金は約1千兆円、少子化と高齢化の進展は社会保障関係費の増大をもたらす。世論は「消費税アップ止む無し」の流れにあるが、危惧するのは一連の社会保障制度改革の内容である。消費税1%アップで約1兆7千億円の税収(3%で5兆1千億円)が予測されるが、大部分はこれまで借金で対応していた年金の国庫負担分の穴埋めや医療費関係である。救いは保育所整備などの費用約3千億円程度で、新たな施策は少ない。

 むしろ、所得による介護サービス受給の自己負担が原則1割から2割へ、特別養護老人ホーム入所者の食事・居住費用のアップ、負担額算出のための預貯金・資産の申告制度の導入、資産を担保に費用を融資し、亡くなったら売却してその費用を返還する制度、さらに、要支援1・2の介護予防の市町村事業化、介護保険料のアップなどが考えられている。また、生活保護制度の改革(扶養義務履行の強化・保護費の削減など)、基礎年金の減額(3年程度で2.5%減額)となる。特別養護老人ホームに代わる受け皿として、民間企業が進める「介護付き高齢者住宅~有料老人ホーム~」の設置推進などが挙げられている。社会保障制度国民会議の議論では年金受給開始年齢の引き上げまで議論になった。経済政策では、5~ 6兆円の規模でインフレ脱却のため、法人税の減税・設備投資費用の減税・復興法人税の前倒し廃止などを掲げ、景気の浮揚を図ることとしている。企業の利益が上がれば、労働者の賃金アップにつながり、それが消費の拡大など経済の成長につながるとの論理である。しかし、企業の利益がこれまでの「内部留保」から「賃金アップ」につながるか極めて疑問である。

 昭和38年制定の老人福祉法は、その理念として「老人は多年にわたつて、社会の発展に寄与したものとして敬愛される」とある。もちろん高齢者に対する敬愛の精神は重要であるが、精神的な支えだけで高齢者の地域生活は守れない。年金の減額と各種負担の増額、生活保護制度運用の強化などは高齢者の生活を脅かしさえしている。社会保障とは、福祉とは、を改めて考えさせられる。これまでの政権や自治体が少子・高齢社会の「将来ビジョン」を描けず、場当たり的に対応してきた「ツケ」が来た感がある。

以上、つぶやき・独り言である。

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