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看取りと在宅復帰に思う

2013年12月20日

 老人保健施設・特別養護老人ホームなど高齢者施設入所者の高齢化と重度化、有病率の高さが顕著である。老人保健施設は医療機関と在宅の中間的施設として整備・運営されてきたが、在宅復帰が困難になりつつある。また、たとえ在宅復帰したとしても疾病の再発、日常生活機能などの低下と今日の在宅医療の現状から入院や施設入所に至るケースも少なくない。在宅医療の支援が期待できない場合、家族が容態急変の「万一」に備え、入院・入所を願わざるを得ない状況も理解できる。そのような中で「施設での看取り」を希望する本人・家族も少なくない状況にある。医療・看護・介護体制が保障され、また入所期間が長い場合に「慣れ親しんだ環境」の中で、最後を迎えたい(迎えさせたい)という気持ちも理解できよう。
 看取りに対する施設関係者の意見は多様であるが、最近の傾向としては、処遇の一環として受け入れ「最後まで心の通った介護」を目指そうとする施設も増えつつある。ここに至るまでの経過は多様であるが、看取りを実施することによって介護職員の意識の変化がある。人間の死に向かい合うことによって「死の尊厳」を感じ、「私たちは利用者に対して最大の努力をしてきたか」を問うことにつながる。「死ぬことはそれまで生き続けること」であり、私たちはそれを支えることであろう。改めて介護業務の奥深さを感じさせられる。シルバーホームもここ数年来、看取りの利用者は増加の傾向にあるが、それを受け入れる職員集団も成長しつつあると感じる。
 一方、施設には明るい話題もある。要介護の認定を受けていた利用者が、リハビリや多様な介護サービスを受けて、介護が軽減し在宅復帰することである。リハビリは厳しいものがあると思う。自らの「夢をもう一度、もう一度○○に行きたい」などの希望や願いがないと積極性は生まれないであろう。これらを支える訓練士などの専門職の対応も大事であるが、利用者を支える介護や看護、さらに相談業務職員や家族の激励も大事である。まさにチームワークの力であろう。
 平成26年も、チームカで利用者を支え、利用者や家族、地域の信頼に応えられる施設づくりに一体となって進めればと、願っている。

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