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北斗会広報誌

高齢福祉部通信

高齢福祉部通信では、医療法人北斗会 高齢福祉部 顧問 山田 昇が、本法人が提供している介護保険サービスに関する様々な情報や活動・取り組みなどをお知らせしていきます。

介護職員の養成と確保について

2013年11月12日

 新卒者の一般企業への就職活動もピークを越え、高卒者の就職活動時期に入った。マスコミによれば景気回復の兆しから昨年度に比べれば有効求人倍率は、若干上向き傾向にあり内定率がアップしているという。
 しかし、特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護職員不足は深刻である。国は離職者対策の一環として介護職員の養成・訓練を図っているが、介護職を目指す人はそう多くはない。また離職者で訓練をすれば誰でも介護の現場でよい介護ができるかというとあながちそうとも言えない。介護現場は圧倒的に女性が多く、結婚~妊娠~出産~育児などで休業や退職する職員も少なくないのが現状である。職員不足をパートや非常勤職員で埋めざるを得ず、全体として介護の質の確保にも影響する。現在、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級養成課程や介護福祉士養成施設(短大・専門学校)などで養成に当たっているが、入学志願者はどの養成施設(校)でも激減の状況にある。9月の総務省の発表によれば我が国の高齢化率は25%に達し、4人に一人が65歳以上となり団塊の世代が75歳の後期高齢者に達する2025年には相当の要援護(介護)高齢者の増加が予測されている。加えて、少子化と核家族化の進行は家庭の介護力の低下につながり介護ニーズ増加することは必須である。
 現在、介護福祉士は約109万人であるが、2025年にはさらに100万人程度の介護福祉士が必要となると推定されている。消費税アップを全面的に否定するものではないがその一部を介護職員の養成(修学資金・養成講習費の助成など)と処遇改善(介護報酬の改善など)に充てて欲しと思う。
 北斗会(病院・シルバーホームなど)も職員不足は深刻である。求人活動は積極的に展開しているが,求職希望者は少ない。これらの状況を打破するため、ハローワークなどに依存するのではなく「自前」で介護職員の養成と確保を図らなければならない時期に来ていると考える。来年度の事業として「介護職員初任者研修」を開催し、希望者を募るとともに、研修の一部を地域住民向けの「介護公開講座」として開放したいと考えているところである。

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社会保障制度改革と消費税アップについて

2013年10月 8日

 10月1日、安部首相は消費税3%アップを正式に表明した。少子・高齢社会を迎え増大する社会保障関係費(医療・年金・介護・福祉など)に対応する措置とある。経済が好転しない中での税収不足、国債残高など国の借金は約1千兆円、少子化と高齢化の進展は社会保障関係費の増大をもたらす。世論は「消費税アップ止む無し」の流れにあるが、危惧するのは一連の社会保障制度改革の内容である。消費税1%アップで約1兆7千億円の税収(3%で5兆1千億円)が予測されるが、大部分はこれまで借金で対応していた年金の国庫負担分の穴埋めや医療費関係である。救いは保育所整備などの費用約3千億円程度で、新たな施策は少ない。

 むしろ、所得による介護サービス受給の自己負担が原則1割から2割へ、特別養護老人ホーム入所者の食事・居住費用のアップ、負担額算出のための預貯金・資産の申告制度の導入、資産を担保に費用を融資し、亡くなったら売却してその費用を返還する制度、さらに、要支援1・2の介護予防の市町村事業化、介護保険料のアップなどが考えられている。また、生活保護制度の改革(扶養義務履行の強化・保護費の削減など)、基礎年金の減額(3年程度で2.5%減額)となる。特別養護老人ホームに代わる受け皿として、民間企業が進める「介護付き高齢者住宅~有料老人ホーム~」の設置推進などが挙げられている。社会保障制度国民会議の議論では年金受給開始年齢の引き上げまで議論になった。経済政策では、5~ 6兆円の規模でインフレ脱却のため、法人税の減税・設備投資費用の減税・復興法人税の前倒し廃止などを掲げ、景気の浮揚を図ることとしている。企業の利益が上がれば、労働者の賃金アップにつながり、それが消費の拡大など経済の成長につながるとの論理である。しかし、企業の利益がこれまでの「内部留保」から「賃金アップ」につながるか極めて疑問である。

 昭和38年制定の老人福祉法は、その理念として「老人は多年にわたつて、社会の発展に寄与したものとして敬愛される」とある。もちろん高齢者に対する敬愛の精神は重要であるが、精神的な支えだけで高齢者の地域生活は守れない。年金の減額と各種負担の増額、生活保護制度運用の強化などは高齢者の生活を脅かしさえしている。社会保障とは、福祉とは、を改めて考えさせられる。これまでの政権や自治体が少子・高齢社会の「将来ビジョン」を描けず、場当たり的に対応してきた「ツケ」が来た感がある。

以上、つぶやき・独り言である。

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「傾聴強調月間」について

2013年9月16日

 「私、なぜ、この施設に入つているの」「きっと、家族は私がいると面倒なので、ここに入れたのね」。これは高齢者福祉施設(特別養護老人ホーム・老人保健施設など)入所者に多い「つぶやき」のひとつです。尋ねられた職員はどう答えるでしょうか?
 先般、某特養の職員研修会に招かれ「利用者のつぶやき。独り言」にどう対応しているかを学習しました。大部分の介護職員は「できるだけ話を聴いて、丁寧に対応したいと意識はしているつもりだが、忙しくてゆつくり話を聴いている時間がない」「毎回、同じこと、内容なので、つい聞き流してしまいがちで反省することがある」「何を話しているのか良く分からないので・・・」というものでした。そのような結果が利用者サイドからすれば「職員が良く話を聴いてくれない」「冷たい」「人情が薄い」というイメージにつながるのかもしれません。
 利用者にとつて家族と離れ、慣れない施設での生活は容易なことではないでしょう。愚痴や思い出や昔話を聞いてくれる人がいて「ほっと」した瞬間を感じるのかも知れません。話したいと思っても職員が忙しそうにしていたら,つい遠慮しがちです。
 施設の生活を楽しく、豊かに過ごしていただくための行事やイベントなども大事ですが職員一人ひとりが利用者の「つぶやき」に耳を傾け、不安や悩みにできるだけ応えることが重要でしょう。宇都官シルバーホームでは、昨年度からボランティア活動の受け入れとして「寄り添いボランティア活動」を進めています。午後の短い時間ですがボランティアの皆さんが共にお茶を飲みながら利用者とのお話し合い・交流を図ろうとするものです。日頃、外部の人とのコミュニケーションが不足している中での交流は好評のようです。ボランティアの方も特に知識や技術が必要なわけではありません。
 9月は「老人福祉週間」の月です。敬老の日のお祝い行事やプレゼントも大事ですが、利用者の「つぶやき」に真心を持って対応する「傾聴強調月間」にできればと考えています。寄り添いボランティアも募集中です。気軽にお問い合わせください。

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平均寿命と健康寿命について

2013年8月 1日

 先般、2012年の平均寿命が発表になりました。女性は2年ぶりに世界第1位、男性は世界第5位ということでした。平均寿命が伸びることは大変喜ばしいことで「健康で豊かな老後を」と願うのは私だけではなく国民全体の願いでしよう。平均寿命の伸びと併せて考えなければならないことは「健康寿命」の伸びです。平均寿命が伸びても寝たきりや認知症などで他人の手を必要とする「要介護状態」になっては、生きがいのある豊かな老後を過ごすことは難しくなります。要介護高齢者約510万人、認知症高齢者約300万人という数字が出ています。また、介護保険の総費用は25年度予算ベースで約9.4兆円に達しています。このことから考えるといかに「健康管理」と「介護予防」の大事さがわかります。栃木県はかつて「脳卒中ワーストワン」と言われました。食生活の貧しさや塩分摂り過ぎ、健康診査の受診率など多様な要因があったと考えますが、県民一人ひとりの健康の保持・増進への意識の低さがあるような気がします。「悪くなったら医者に行けばいい」という意識が多いのではないでしょうか。人間ドック・健康診査の受診、さらに食生活の改善、日常的な運動などが健康寿命を伸ばす(医療保険や介護保険の利用者にできるだけならない)ポイントのような気がします。

 

  また「心の健康」も健康長寿につながるでしょう。仲間・友人と馴染みの関係を築き積極的な社会参加が大事です。北斗会は糖尿病を中心とする健診センター・医療をもとにしたメディカルフィットネスクラブ・健康に配慮したレストラン・介護に関する相談や支援を行うシルバーホームの運営など「健康長寿」を支える機能を持っています。

 

 

 北斗会では来る11月9日(土)午後1時30分から宇都官市内「コンセーレ」で県民を対象とした「地域医療・福祉講座」を開催予定です。内容は「生活習慣病予防・介護予防を中心」としたセミナーです。詳しくは北斗会地域医療・福祉講座係(電話028-660-7800)までお問い合わせください。

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こんな職員を目指したい!~新採用職員の抱負~

2013年5月 2日

 北斗会・老人保健施設・宇都官シルバーホームでは、平成25年4月、7名の新採用職員を迎え、現在各職場で介護実践について研修中です。このたび研修の一環として「こんな職員を目指したい」をテーマに集団討議を実施ました。

 内容は「なりたい自分」「利用者支援」「業務の遂行」に分けて討議し、「なりたい自分」としては、①雰囲気・場づくりができる ②積極性と向上心の醸成 ③豊かな人間性 ④身だしなみなどが、「利用者支援」については①傾聴の心 ②豊かなコミュニケーションの確保などが挙がっています。また、「業務遂行」については、①個別性・主体性の尊重 ②ことば使い ③専門的知識と技術の修得などが挙がりました。

 これらを要約すると、「笑顔を持って、自ら声掛けなど利用者とのコミュニケーションを大事にし、利用者の意見を傾聴し、理解するとともに、業務の遂行に当たっては、自分自身の言動に責任を持ち、信頼される専門的知識や技術を修得する、そのために資格取得を目指したい」というものでした。

 福祉の現場は、ともすれば人間関係が限定されやすく、またこれまでの雰囲気やルールに縛られ、長い間勤務すると次第にモチベーションが低下する傾向にあります。このような結果が「利用者本位の支援」を見逃し、また「活力のない職場」を知らず知らずに形成してしまうようです。新採用職員の「こんな職員を目指したい」の思いは、私たち職員に改めて福祉職場の原点を気付かせてくれた感じがします。

 私たちも他の職場と同様、新年度を迎え、専門のプロとして利用者や家族の意向、さらに介護を取り巻く外的な環境を認識して「より良い支援」を図ることが求められています。新人の活躍を期待するとともに、その育成を図らなければならないと痛感した新人のレポートでした。

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地域包括ケアシステムの構築について

2013年4月 3日

 平成25年4月からの介護保険制度の改正論議の中で、強調されたのが高齢者の「地域ケアシステムの構築」であった。これまで施設を中心とした高齢者のケアをできるだけ居宅ケアに移行し、地域での生活を担保しようとするものである。厚生労働省の作成したケアシステムモデル図は居宅を中心として、地域包括支援センター・医療機関・訪問介護(看護)。デイサービス・訪問リハビリ。小規模多機能施設・社会福祉協議会・住環境整備など医療・保健・福祉。その他のサービスを総合的に提供しようとするものである。これらのサービスが適時・適切に供給されれば在宅生活が可能となることはモデル図から理解できるが現実的には厳しいものがある。第1はどこがそのコーディネートを担うのか、第2は在宅・地域医療の供給体制にあると考える。要介護高齢者を抱える家族介護者の最大の不案は医療の担保である。現在の我が国の医療は病院を中心とする「拠点医療」であり、在宅医療(訪問診察・看護)の供給は不十分と言わざるを得ない。制度上は在宅療養支援事業所があるが、その実績は公表されていない。訪問看護も在宅ケアに必須であるが、その事業所もあまり増加していない。

 県が昨年,県内高齢者1万人を調査した結果によれば、高齢者の約6割以上が「介護を受けながらずっと自宅で暮らしたい」と望む一方、家族の約5割は「介護状態が重くなったら施設入所」と考えており、介護を巡る両者の意識の差が改めて浮き彫りになった。ただ、将来的には特別養護老人ホームの入所を申し込みたいと考える高齢者も半数を超えており、特養ホームの需要は依然として高い。

  「必要な時に、必要なサービスを、必要な量を供給できる」体制が必要であり、その中心となるキーパーソン的組織が必要であり、最大の関心である医療供給体制が整備されなければモデル図は「絵に描いた餅」になる恐れがある。北斗会として何ができるか、検討する時期に来ていると思う。

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高齢期の「居場所の喪失」と漂流

2013年2月 1日

 かつて、医療費抑制のために約38万床の高齢者療養病床を廃上し、老人保健施設や特別養護老人ホームに転換する方針が決定されました。その時大きな問題になったのが約7万人の「介護難民」が生じることが予測されることでした。介護サービスを受けることのできない高齢者を「介護難民」と表現しましたが、今日では「漂流高齢者」という言葉が新たに出るようになってきました。先日放映されたNHKスペシャルは「老人漂流社会」のタイトルで、居場所のない高齢者の生活実態をルポし、特別養護老人ホームには入れず、「終の棲家」として有料老人ホームや民間のケア付きホーム入所を報じていました。利用料金は月約13~ 14万円です。基礎年金だけで利用することは不可能ですし、生活保護を受けなければ費用の支払いは困難です。その施設で亡くなつた高齢者の状況も放映されました。
 昭和38年制定された老人福祉法は「老人は多年にわたって社会の発展に寄与した者として敬愛される」とありますが、「漂流する・漂流せざるを得ない」高齢者の生活実態はその理念と大きく乖離しています。時を同じくして群馬県渋川市で起きた高齢者施設「たまゆら」火災(10人の焼死者)に対する地裁の判決があり、経営者の理事長に執行猶予の判決が出されています。利用者は居場所がなく福祉事務所の紹介で生活保護を受けながら入所していた高齢者でした。
 施設の整備や家賃の補助制度、在宅サービスの支援充実が叫ばれていますが、地域での孤立死(孤独死)も年々増加の傾向にあります。医療・保健・福祉だけの連携に止まらず「居場所の確保」を含めた住環境の改善やコミュニティの支援の必要性を痛感させられます。「終の棲家」の在り方を私たち関係者はもっと真剣に考える必要があるでしょう。

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高齢期の6つの喪失「役割の喪失」と対応について

2012年12月27日

 高齢期の最大の関心事は「健康の喪失」であると前回述べましたが、それに勝るとも劣らないのが「役割の喪失」でしょう。定年退職は単に収入の減少だけではなく、仕事。ポジション・社会的地位などを失うことになりがちです。現役当時はその立場ゆえに社会的活動がある程度保障されますが、余程のキャリアがなければ困難です。役割は与えられるものではなく「自らが探し求める」ものかもしれません。それには何らかの「目標」を設定する必要があります。

 目標の設定は新たな活動に結びつきます。目標は個人の趣味でもよいし、できればそれによつて仲間の輪が広がり、社会的活動につながつていけば社会貢献活動になるでしょう。ある調査では、定年退職後の自由になる時間は、社会的活動が困難になるまで約7万時間といわれています。この7万時間をどう生かして使うかが長い高齢期を充実したものとなるかの分岐点かもしれません。

 私は趣味の活動として60歳以上のシニア層で組織する「サッカークラブ」に入り、週1回程度ボールを蹴っています(仕事の都合で毎週1回の練習会には参加できませんが・・・)。メンバーの最高年齢は85歳、平均67~ 68歳になるでしょうか。約40数人のメンバーで60歳台、65歳台、70歳以上のクラスで関東大会や近隣県との交流試合、時折ねんりんピックなどの全国規模の大会に参加しています。仲間の輪が広がり孤独に陥ることもありませんし、お互いに役割を分担しながら健康保持に努めています。

 サッカーは一つのボールを味方同士が連携し、繁いで相手のゴールにいれる基本的には単純な競技ですが、味方との信頼関係や協力関係なくしては成立しません。これらは高齢期の地域生活に欠かすことはできない共通する事柄でしょう。

 役割は与えられるものではなく自ら「探し求める」ことであるならば、積極的に社会的活動に参加することが不可欠かもしれません。生きがい対策は目標設定から始まると思うのです。

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高齢期の6つの喪失「健康の喪失」と対応について

2012年11月20日

 高齢期の最大の関心事は「健康の喪失」ではないでしょうか?WHO(世界保健機関)の定義は、健康とは疾病にかかっているというだけでなく、心の健康や社会的に自立して生きていける社会的健康を含むものとされています。健康の喪失は本人だけではなく、家族の介護さらには介護費用・医療費のアップなど多くの影響をもたらします(2010年国民医療費総額約53兆円、高齢者一人当たり年間約70万円、一般国民16万円で約4.5倍弱)。

 よく言われることですが「栃木県人は我慢強く、悪くなったら医者に行けばよい」という考えが強く、日常の健康管理にあまり関心を持たないようです。塩分の摂取量も高く、かつては「脳卒中ワーストワン」と言われ、キャンペーン活動が展開されました。

 これまで我が国では「寝たら半年」と言われたように、医療の高度化が図られない時代は短命でしたが、現在ではリハビリをしつつも何らかの障害を残しながら、永い期間の生活を余儀なくされるようになりました。これらが医療や介護に結びつき、本格的な超高齢化社会の到来を迎え、大きな社会問題、国民的課題になっています。2025年には要援護高齢者が約520万人に、認知症高齢者も現在約300万人と推計されています。

 健康の喪失を予防し、健やかな高齢期を迎えるためには、日常生活の健康管理(栄養・休養・運動など)、介護予防のための運動、心の健康のための社会参加・活動、趣味を生かしながらの仲間づくりなどが必要でしょう。

 高齢期の生きがいづくりには①学ぶこと ②働くこと(生活・生活プラス生きがい・生きがいのため) ③社会参加・活動(ボランティア活動など)が大事だと考えます。一般的に現役を引退した後の比較的自由になる時間は約7万時間といわれます。この貴重な時間をどう活用するか、それには健康の保持がポイントとなるでしょう。

 「活力ある高齢者像」の構築は自ら図る必要があります。また地域には様々な組織や団体などがありますし、相談機関もあります。これらの社会資源を有効に活用して「健康の喪失」を防ぐことも重要なポイントです。宇都宮シルバーホームでは、利用者との「こころの交流」を図る「寄り添いボランティア」活動を展開しています。社会参加の一つとしてご参加いただければと思います。

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団塊の世代が後期高齢者に、認知症患者約300万人を超える状況

2012年10月10日

団塊の世代が後期高齢者に、認知症患者約300万人を超える状況

~私たちに求められる対応とは?中長期発展計画に策定は?~

 

 昭和2224年時代生まれの「団塊の世代」が順次、65歳になり、2025年前後には75歳以上の「後期高齢者」になります。医療の高度化や家庭構造の変化の変化などと相まって、地域生活に何らかの支援を必要とする要援護高齢者は増加の一途を辿ることになります。現在の介護保険の「認定率」約17%程度ですが、相当数増加することが予測されています。また、認知症高齢者も現在約300万人と推計されておりその対策が講じられつつありますが、専門の医師不足、早期相談支援体制など数多くの課題を抱え、直ちにその対策が進むことはないでしょう。

 国は在宅支援を充実し、入所型施設も民間の「サービス付き住宅」を民間企業などが整備し、外からサービスを提供する、いわゆる「外付けサービス」を推進しようとしています。また平成25年度の特養などの施設整備費の交付金などの助成は国の財政事情からこれまでの半額に減額される動きとなっています。しかし特養入所待機者は依然として解消されず、入所ニーズが高まっている状態です。

 北斗会も平成3年の宇都宮シルバーホームの開設以来、約20年間、順次多様な事業を展開し高齢者福祉の推進に貢献してきました。しかし、今後は超高齢社会の状況や国・自治体の動向を踏まえ、2025年前後を想定した「中長期戦略の策定」を検討する時期に来ていると考えています。

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